企業、人、未来がつながる
SDGsニュースサイト

SDGsニュース

2021.08.15

マグネシウム加工ベンチャーのマクルウ、押出し加工を利用したマグネシウム合金スクラップ材の再生技術の開発に着手

静岡県先端企業育成プロジェクト推進事業費補助金を活用した産総研との共同研究開発

 株式会社マクルウ(本社:静岡県富士宮市、代表取締役:安倍雅史)は、2021年8月から、杖や車いすフレーム等福祉介護機器用マグネシウム合金パイプへのリサイクル材採用を実現する、押出し加工を利用したマグネシウム合金スクラップ材の再生技術の開発を開始します。
 本技術は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(本部:東京都千代田区、理事長:石村和彦、以下、産総研)と共同研究契約を結び、産総研が有する「固相リサイクル法」に関する技術的ノウハウと表面分析技術及び組織解析技術と、静岡県令和3年度先端企業育成プロジェクト推進事業費補助金を活用し、開発するものです。

静岡県の発表資料:
http://www2.pref.shizuoka.jp/all/kisha.nsf/c3db48f94231df2e4925714700049a4e/e127aa55f586b0a34925870c001df434?OpenDocument

開発の背景

 高齢社会を迎える中、ユーザーと介護者が使いやすい福祉介護機器の観点から軽量化の重要性が指摘され、最軽量金属であるマグネシウムへの注目が高まっています。当社は、マグネシウム合金製福祉機器を実現するためのパイプ曲げ加工などの塑性加工技術、溶接技術を開発し、杖、車いすフレーム、ハンドリムなどを開発してきました。
マグネシウム合金製福祉介護機器の例_杖「フラミンゴ」

マグネシウム合金製福祉介護機器の例_杖「フラミンゴ」

マグネシウム合金製福祉介護機器の例_ストレッチャー型車いす

マグネシウム合金製福祉介護機器の例_ストレッチャー型車いす

マグネシウム合金製福祉介護機器の例_車いす用ハンドリム

マグネシウム合金製福祉介護機器の例_車いす用ハンドリム

 一方、事業の拡大に伴いスクラップ材増加という課題がでてきました。従来からマグネシウム合金のスクラップ材は100%リサイクルを実施していますが、リサイクル時に溶解が必要なこと、リサイクル業者への運搬が必要なことなどに課題を感じていました。
マグネシウム合金スクラップ材

マグネシウム合金スクラップ材

開発する技術の概要

 現在のマグネシウム合金のリサイクルは、リサイクル工場に回収された上で再溶解精錬により再生されています。この方法の課題は、再溶解を伴うリサイクルであるため、カバーガス(SF6等)を用いる必要があり、融点以上の高温を必要とするためエネルギー消費が高いということです。
 一方、産総研の「固相リサイクル法」は、マグネシウム合金スクラップ材を直接押出し成形して固化・再生する方法です。本法は、押出し加工中の強加工により、スクラップ表面の酸化物を破壊し固化・接合するもので、再溶解を伴わない点が特徴です。
 この方法の課題は出所が分からないスクラップ材には適用できないことですが、本事業においては、マグネシウム合金加工工程を有する工場内でのリサイクルであるため、「固相リサイクル法」を適用する最適な環境といえます。
「固相リサイクル法」と「従来型リサイクル法」の比較

スケジュール

 本事業は三年計画で実施します。2021年度は研究開発に必要な情報収集や基礎研究などの準備期間、2022年度に研究開発を実施するための環境整備とラボレベルでの研究開発の完了、2023年度にラボ技術のスケールアップ、リサイクル加工の実施及び評価を計画しております。

 その後、本技術を活用した量産設備を整え、「リサイクルドマグネシウム合金パイプ(仮称)」を活用した杖や車いすフレームの商品化により、年間10トン以上の福祉介護機器用マグネシウム合金加工を計画し、より多くの方に使いやすく環境に優しい福祉介護機器をお届けいたします。

さいごに

 本リサイクル技術の確立は、現在主に中国に依存している素材の安定調達の観点でも大きな利点があります。

 さらに、エネルギー消費を極小化したリサイクルの実現により、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」への対応、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け貢献していく所存であります。
20 件
〈 1 / 2 〉

Related