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2021.09.28

リファイニング建築®賃貸住宅 既存躯体再利用により建替えと比較しCO2排出量▲72%

東京大学との共同研究により判明。

 三井不動産株式会社(代表取締役社長:菰田正信、以下「三井不動産」)は、既存躯体を再利用するリファイニング建築について、株式会社青木茂建築工房(代表取締役社長:青木茂、以下「青木茂建築工房」)の協力のもと、国立大学法人東京大学(以下「東大」)新領域創成科学研究科清家剛教授と共同研究(以下、「本共同研究」)を実施し、CO2排出量削減効果の評価を実施いたしました。現在、青木茂建築工房と計画中のリファイニング建築計画(新宿区、1971年築賃貸住宅、以下「本計画」)を対象にCO2削減効果を検証した結果、既存躯体の約84%を再利用することにより、既存建物を同規模に建替えた場合と比較し72%削減できることが判明いたしました。

本共同研究の対象物件の概要

 本計画では、築49年の旧耐震基準の賃貸共同住宅(新宿区、地上9階建て、延べ床面積約2,610㎡、SRC造、一部RC造)をリファイニング建築により再生いたします。同建築手法は建物寿命を新築同等とするため、躯体の調査、補修を実施したうえで耐震性能を現行法規レベルまで向上させます。また、竣工後の運用時エネルギーも新築同等とするため、サッシ交換や断熱改修等を実施します。
イメージパース

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本共同研究によるCO2排出量調査結果

 一般的に建物建設において、既存建物を解体し、新たな躯体建設にともない調達される鉄やセメントなどの建築資材の製造時に多くのCO2が発生します。リファイニング建築では既存躯体を再利用するため、建替えよりCO2排出量の大幅削減が可能です。
 そこで本共同研究では、製造、運搬、施工の段階のうち、最も削減効果が大きい製造段階に注目し、リファイニング建築時に使用される建築資材量を算出し、資材の製造時に排出される CO2排出量を試算しました。建替えの場合も同様に算出し、比較することで、同建築手法の削減効果を検証※しました。
 その結果、本計画における試算において、建替えの場合躯体の資材製造に伴うCO2排出量が1,761tに対して、リファイニング建築の場合既存躯体の84%を再利用するため、躯体の資材製造に伴うCO2排出量が40tとなり、建替えの場合と比べ全体でCO2排出量1,721t(約72%)の削減効果があることが判明いたしました。
 一般的にリファイニング建築は躯体の80%以上を再利用します。老朽化不動産の耐震化だけではなく、建替えと比較して建設時のCO2排出量を大幅に削減可能であるため、リファイニング建築が脱炭素社会に向けたソリューション提案の一つとなり得ることが本研究により明らかになりました。

本共同研究における建替えとリファイニング建築のCO2排出量の違い

本共同研究における建替えとリファイニング建築のCO2排出量の違い

建替えとリファイニング建築における工程の違い

建替えとリファイニング建築における工程の違い
※本共同研究の前提
・既存躯体の再利用率については、躯体の定義を「構造耐力をもたない雑壁等も含んだコンクリート体積の総量」として計算。なお、リファイニング建築の場合の解体量はコンクリートが311㎥、鉄筋が12tである。
・躯体投入量は図面および実測値より算出。
・躯体の資材製造に伴うCO2排出量は躯体投入量と日本建築学会公表のLCAデータベースVer.1.01のコンクリート、鉄筋、鉄骨のCO2排出単位を用いて算出。
・内外装等の工事(躯体以外)に伴うCO2排出量は、日本建築学会が公表しているLCAデータベースVer.1.01をベースに、建築資材の各項目の排出原単位に本計画の床面積を乗じて算出しており、建築資材以外の項目は考慮していない。
・建物寿命、竣工後の運用時一次使用エネルギーは建替えとリファイニング建築は同等とし考慮していない。
・運搬・施工に関するCO2排出量については、本共同研究がリファイニング建築の躯体の再利用によるCO2削減効果に着目していることから考慮していない。
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