国立大学法人千葉大学の環境ISO学生委員会(以下、学生委員会)と株式会社京葉銀行(以下、京葉銀行)は、2017年度より協同でecoプロジェクトを実施しており、SDGs達成に向けた取り組みを行っています。 その一環で、竹林整備体験事業を3回にわたり実施しました。
【名称】
千葉大学×京葉銀行ecoプロジェクト Chibaクリーンアクション竹林整備体験事業
【背景】
千葉県は約6000haという全国でも7~8番目の広さの竹林がありますが、竹材の需要が減り、管理が行き届かなくなって放置された竹林における「竹害」が深刻です。竹は成長が早いので、密集して生えるとほかの木々の成長を阻み、植生が乱れてしまい、森林が荒廃していきます。また、竹が無秩序に繁殖することにより、良質な竹材や筍の収穫が難しくなるうえ、土壌保持力低下による崖崩れ、河川を通じた枯れ材の海への流出などが発生します。
本事業は、こうした竹害の現状や、竹材の活用・ビジネス化について学び、実際に竹林現場の整備を体験するものです。全3回で構成し、第1回はセミナー形式で千葉県の竹害の現状や、竹材の活用などについての理解を深め、第2回、第3回では実際に竹林現場に足を運び、竹林整備活動や竹炭・竹粉製作などを体験しました。
【第1回】
日時:2021年10月9日(土) 15:00~17:00
会場:京葉銀行千葉みなと本部 2階 αガーデンホール
内容:『竹を知る』ワークショップ(竹害と竹材や竹炭の利活用について学ぶ)
「放置される竹林を活かし循環型社会を目指す」(特定非営利活動法人竹もりの里 鹿嶋 與一理事長)
「プラスチックから竹へ~サスティナブルな選択~」(特定非営利活動法人環境パートナーシップちば 小倉久子理事)
【第2回、第3回】
日時:2021年10月30日(土)および12月4日(土) 9:30~15:00
会場:千葉県長柄町の町有竹林
内容:竹の間伐作業、清掃活動、竹炭・竹粉づくりなどの体験
参加:第2回は学生24名参加、第3回は学生20名と行員8名参加
【共催・後援】
共催:特定非営利活動法人竹もりの里(理事長 鹿嶋 與一)、一般社団法人もりびと(代表理事 千葉 美賀子)
後援:長柄町(町長 清田 勝利)、特定非営利活動法人環境パートナーシップちば (代表理事 桑波田 和子)
竹の繁殖力が強いのは知っていましたが、ほかの植物の成長に悪影響を与えるほどとは知りませんでした。荒廃した竹林を見るのは初めてで、想像していたよりもずっとうっそうとしていて衝撃的でした。私たちは、のこぎりを使って1本1本手作業で切り倒したり、枯れて倒れている竹を運び出したりして整備を進めました。普段のこぎりなどを使わないため、慣れない作業で大変でしたが、大きな竹が倒れる瞬間には迫力があり、整備を行ううちにさらに整備を続けたくなりました。整備をする前の竹林は薄暗く、中に入るのがためらわれるような見た目だったのですが、整備した後は日が差し込み、とてもきれいで感動しました。自分たちが整備した結果をすぐに見ることができて良かったです。竹が思っていたよりも重くてとても疲れたのですが、その分大きな達成感を得られました。
竹林の問題の現状を目の当たりにして、できるだけ早く問題に対処する必要があると感じました。すでにたくさんの魅力的な竹の活用方法があるので、それをたくさんの人に知ってもらうことで増えすぎた竹を消費するための循環が出来上がると思います。今回の事業を通じて、バイオマスプラスチックにも加工できることは初めて知りました。実際に触る機会があったのですが、通常のプラスチックよりも少しざらついていて、柔らかいという印象を持ちました。食器類の製品が多かったのですが、とても使いやすそうで個人的にも欲しくなりました。竹害や竹材の活用方法などをいろんな人に知ってもらうためにも、自分たちのような若い世代が積極的にボランティアに参加したりして、SNSなどを通じて発信していけたらと思います。
千葉大学と京葉銀行は2012年に包括連携協定を結んでおり、千葉大学で環境活動を主体的に担っている環境ISO学生委員会と京葉銀行が協同で、2017年から「ecoプロジェクト~7色の虹を千葉から未来へ」を実施しています。本プロジェクトでは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、まずは「地域の環境負荷削減と環境意識向上に貢献したい」という想いで、京葉銀行の行員や取引先企業、地域住民、千葉大学の学生などを含めた千葉県内の多くの方々を対象に、環境意識の啓発活動を実践しています。
公式サイト
https://www.keiyobank.co.jp/ir/eco_project/