WWF報告書によると、昆明宣言、G7・2030年自然協約、G20ローマ首脳宣言など、多くの公約に示 された、2030年までに生物多様性の損失を反転させるという首脳の約束に合致するためには、ポスト 2020年生物多様性枠組を大幅に強化する必要があります。国連生物多様性交渉に臨む日本政府代表団 が、ポスト2020生物多様性枠組の野心度の引上げに向けリーダーシップをとるよう期待しています。
生物多様性損失の要因に取組むための具体的かつ詳細な目標の欠如は、特に懸念される点であり、113 カ国による共同声明である「リーダーによる自然への誓約」や「昆明宣言」などのハイレベルな公約を 踏襲していないことを示しています。WWFは、ネイチャー・ポジティブを2030年までに確保すること を求めます。そのため、生物多様性の損失を引き起こす主要要因を考慮し、特に農業と食料システムを 変革するための行動が、深刻化する自然の緊急事態に取り組むために不可欠であると考えています。
注1 「ギャップを埋める」とは既存の政治的コミットメントを、野心的な生物多様性枠組へ変換することを指す。 注2 WWF のチームが評価した国際公約、宣言、決議、連合には、リーダーによる自然への誓約、G7 2030年自然協約、G20ローマ首脳宣 言、IUCN 政策決定 116 (World Conservation Congress 2021), 昆明宣言、自然と人々のための高い野心連合、グローバル・オーシャ ンズ・アライアンス、持続可能な開発目標(SDGs)、愛知ターゲット、森林と土地利用に関するグラスゴー首脳宣言、第3回オープンエ ンド作業部会で113カ国が支持した共同声明が含まれる。
■関連情報
・ポスト2020生物多様性枠組の内容は不十分 WWF報告書で明らかに
https://www.wwf.or.jp/activities/opinion/4943.html
・WWF報告書『ギャップを埋める:政治的コミットメントを野心的な生物多様性枠組へ』(英語)
https://www.wwf.or.jp/activities/data/20220309biodiversity01.pdf