2020年、「第一次 生活クラブ2030行動宣言」を策定し、SDGsの理念に通ずる7つの目標と、SDGsにとどまらない生活クラブ独自の目標の計8つの重要目標を掲げました。第一次宣言以降、実現に向けて数値目標を設定し、年度ごとに評価して進捗を確認しながら新たな課題の検証を続けてまいりました。このたび、世界的・社会的ニーズから、「第一次 生活クラブ2030行動宣言」にさらに3つの新しい重要な目標を追加し11の重要目標に統合しました。新しい目標は「重要目標4 気候や災害への危機対策」、「重要目標9 ジェンダー平等と多様な働き方の実現」、そして「重要目標10 他団体と連携した環境保全」です。
当会は1968年に協同組合として設立以来、50年以上にわたり、食を通して安全や健康、環境への配慮を追求してきました。2015年4月からは、「サステイナブルなひと、生活クラブ」をスローガンに掲げて、いまと次世代のいのちを大切に考え、限りある資源を循環させ、自給する活動に取り組んできました。現在では、共同購入活動だけでなく、生産者や関係者と協力し、地域を超えて循環と共生の輪を広げていこうと、ローカルSDGsを推進しています。
この50年以上の活動を通じ、食の安心安全の追求、国内自給力アップへの取組み、再生可能エネルギーの普及など持続可能な社会の実現に向けてさまざまなことを実践してまいりました。そのような当会にとっても、新たに掲げた3つの課題は、困難ではありますが、今後の社会づくりにおいて実現すべき課題です。そのため、目標達成に向けた数値を明確に位置付け、具体的な事業と活動をすすめていきます。また、目標の達成度を毎年検証し発表する冊子を作成し、当会だけでなく、その関係するすべての人と協力して実現を目指してまいります。
「生活クラブ2030行動宣言」 のロードマップ
2030年までに「こうありたい」という姿をもとに、いま何をすべきかを考えるバックキャスティングの方法で達成に必要なアクションを実行してまいります。
(
https://seikatsuclub.coop/about/vision/declaration2030.html)
「生活クラブ2030行動宣言」概要
1 食料主権の考え方を基軸とした、国内生産の追求と、公正な調達を行ないます。
命の産業である第一次産業において、種に至るまでの国内自給を追求し、生産情報の開示をすすめます。また、国内外を問わず、生産に従事する人々の人権に配慮し、合意に基づく調達を行ないます。
<目標チャレンジの例>
◆持続可能な食の調達を基本とした品物を扱うことを基本とし、食の国内自給を追求
米、青果、畜肉などの一次産品の利用を推進
2 素材本来の味、食材にまつわる知恵や文化を大切にして、健康で豊かな食の実現をはかります。
必要のない添加物や薬剤の使用を限りなく削減し、健康を保つことに貢献する食材の使い方や摂り方などの情報を積極的に共有します。
<目標チャレンジの例>
◆2030年の目標
薬に頼らずに育てた畜産物の数
牛:3,530頭
豚:10.2万頭
鶏:300万羽
3 地球の生態系を維持するため、海や陸の環境保全と気候危機対策に取り組みます。
生物多様性をおびやかす遺伝子操作を行なった食物を扱わないことを基本とし、その生産に反対します。また、生産・流通・消費・廃棄の各段階での環境配慮とともに、重点的に温室効果ガスの削減に取り組みます。
<目標チャレンジの例>
◆CO₂排出量の削減
生協事業における排出量を2050年にはゼロに
◆プラスチックの使用削減
使わざるを得ない場合は再生プラスチックなどに