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ASTRA FOOD PLAN㈱ 食品ざんさ再生装置で“かくれフードロス”問題解決に挑む

2022.07.31

「サスティナブルな社会の実現」をミッションに掲げるフードテックベンチャーのASTRA FOOD PLAN 株式会社(埼玉県富士見市、代表取締役:加納 千裕 以下ASTRA FOOD PLAN )は、これまで食品の乾燥殺菌装置『過熱蒸煎機』を開発し、“かくれフードロス”の課題を抱える企業など約25社と協力しながら様々な食材でテストを実施してきました。その間で行った、『過熱蒸煎機』による食品の高付加価値パウダー化テスト品目が55種類にのぼりました。

野菜類をはじめ、酒粕やワインの搾りかすなどの飲料残渣、魚介類に至るまで、前処理の工夫と『過熱蒸煎機』の運転調整によって高品質にパウダー化するノウハウを確立することに成功しました。
ASTRA FOOD PLANは現在、複数の食品メーカーと協力し『過熱蒸煎機』でアップサイクルした様々なパウダーを使った商品開発を開始しています。2022年8月にはラボ工場が本社内(埼玉県富士見市)に竣工予定で、“かくれフードロス”問題を解決する持続可能な「仕組みづくり」を加速してまいります。
※「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6534112号

※「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6534112号

約25社と55品目にわたる食材で過熱蒸煎テストを実施。SDGsの取り組みへのニーズにマッチ

『過熱蒸煎機』は、食品の風味の劣化と酸化、栄養価の減少を抑えながら、乾燥と殺菌を同時に行うことが可
能な装置です。2021年の開発段階から、様々な食材の乾燥・殺菌テストを実施し、2022年7月末時点で55品目を達成。テストを通じて、食材ごとの前処理の工夫と、『過熱蒸煎機』の運転調整によって幅広い食材を高品質にパウダー化するノウハウを確立することに成功しました。
『過熱蒸煎機』正式発売後の2022年4月以降は、主に食品メーカーから依頼を受けて食品ざんさのアップサイクルに向けたテストを実施してきました。テストでは依頼主から食材を預かり、『過熱蒸煎機』で乾燥・殺菌を行ってサンプルを製造します。乾燥品の出来栄えの確認のほか、前処理に必要な工程の検討、時間当たりの生産能力、ランニングコストの算出等を行い、装置導入の検討材料として提供しています。
近年企業がSDGsに取り組む流れの中で、製造工程上で発生する食品ざんさをアップサイクルしたいという要望が増えています。
※「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6534112号
フードロスとは、製品になったあとの売れ残りや食べ残し等を指し、日本では年間約600万トン発生していることが近年問題視されています。一方で、製造過程で生じる食品ざんさや、規格外および出荷調整による余剰農作物の廃棄は上記のフードロスの定義には含まれておらず、その量は年間約2000万トン以上にのぼります。これをASTRA FOOD PLANでは“かくれフードロス”と名付けて焦点を当てました。
この”かくれフードロス”の課題は従来手法では時間やコストがかかりすぎて抜本的な解決が難しい問題でしたが、『過熱蒸煎機』が品質に加え、コストパフォーマンスと量産性に優れていることから、解決の糸口になるのではないかと期待が寄せられています。
食品メーカーは“かくれフードロス”の課題を必ず抱えていると言っても過言ではありません。大手メーカーでは、年間数千万から数億円の廃棄コストがかかっているケースもあり、以下はその一例になります。


1.外食チェーンのセントラルキッチンで発生する、スライス玉ねぎのざんさ
全国展開する大手外食チェーンでは、毎日数百㎏のスライス玉ねぎのざんさが発生し、廃棄コストが課題となっていました。
スライス玉ねぎはセントラルキッチンでスライスして店舗に配送しています。本来皮を剥いた玉ねぎの不可食部分は根元の硬い部分だけですが、機械を使ってスライスするため、写真のように可食部をかなり含んだ状態でざんさとなって廃棄されています。
『過熱蒸煎機』で乾燥・殺菌テストを行ったところ、ピリッと辛味のあるすりおろし生たまねぎのような風味になり、一般的な乾燥品のロースト玉ねぎのような甘い風味のものとは異なる仕上がりになりました。ドレッシングの原料に適していると考え、商品開発を検討しています。
また、ポリフェノールの一種であるケルセチンという成分が生の状態からほとんど損なわれず、豊富に含まれることがわかり、サプリメント等への活用も視野に入れています。
※「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6534112号
2.植物工場で栽培される、レタス類の出荷調整廃棄
最近スーパーでよく見かける水耕栽培のレタス類も、実は深刻な廃棄問題を抱えています。水耕栽培のレタスは、主に植物工場で生産されていますが、屋内で太陽光のかわりにLED照明などの人工光源を使用して生産するため、天候の影響を受けず計画的に生産できる、虫による被害がないため無農薬栽培できるなどメリットが多く、新たな農業の形として注目されています。ところが、需給バランスによる出荷調整で廃棄品が多く出ることが課題となっています。畑の場合は余剰品を土にすき込んで堆肥化することができますが、水耕栽培の工場では全て産業廃棄物になり、廃棄コストがかかります。
『過熱蒸煎機』でレタス類を乾燥・殺菌すると、色鮮やかな緑色で、他の乾燥方法で起こる風味の変化が最小限に抑えられました。野菜ジュースに加えるとフレッシュな風味が付与されることがわかり、飲料メーカーと商品開発を進めています。
※「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6534112号
3.日本酒の酒粕
日本酒を製造する際に発生する栄養豊富な酒粕は、甘酒や粕汁、漬物などに利用されるものもありますが、一方で廃棄されているものも大量にあります。理由は、酒粕は発酵が続いているため冷凍しないと品質を保ったまま保存ができないことがひとつ。もう一つは、酵母菌が生きている状態では、多くの食品工場では菌の増殖による汚染のリスクを回避するために原料として取り扱いできないことから、決まったルートでしか加工に利用できないためです。
乾燥・殺菌をすることでこうした課題をクリアし、長期保存が可能、用途も広がることから酒造メーカーからテストの依頼を受けました。
酒粕のテストでは、前処理工程での物性の調整に当初課題がありましたが、試行を繰り返すことで『過熱蒸煎機』での乾燥ノウハウが確立しました。
この手法は、納豆のような粘りのある食材の乾燥にも応用できることが実証されています。
※「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6534112号

「AFPラボ」で取り組みを加速

これまでテストは協力企業のもとで行っていましたが、2022年8月に埼玉県の本社内に過熱蒸煎テストを随時実施できる「AFPラボ」が完成します。テストだけでなく、小規模なOEM製造の受託も可能な設備を整える予定です。『過熱蒸煎機』を活用した“かくれフードロス”削減と、新たな循環型フードサイクル構築のための取り組みを加速してまいります。

ASTRA FOOD PLAN代表取締役 加納千裕よりコメント

ASTRA FOOD PLAN設立からちょうど2年。装置のプロトタイプができてから、何度もテストを繰り返してきました。テスト品目一覧を見ていると、それぞれのストーリーや、お客様と一緒に試行錯誤した思い出が浮かびます。
『過熱蒸煎機』は食品の殺菌、乾燥という一見シンプルな工程のようにみえますが、食品の特性毎に菌数と加熱温度の関係や、風味の維持のための緻密な調整が要求されます。たくさんの方々のご協力を得て、『過熱蒸煎機』のノウハウを確立した今、ようやくスタートラインに立てた気持ちです。食材をただ粉にできるようになっただけでは、フードロス削減は叶わないことを実感しています。
「安全で、おいしい」過熱蒸煎パウダーは、その先の用途開発こそが最も重要だと考え、現在複数の食品企業に協力をいただきながら、アップサイクル食品の開発に取り組んでいる最中です。食品ざんさの粉末化という入口と、おいしい製品の食品原料という出口、両方をつなげる「仕組み」の確立を目指します。
フードロス問題をはじめとする社会課題の解決は1社ではできませんが、複数社が繋がることで可能になると考
えています。「もったいない」「どうにかしたい」という気持ちを集めて繋げることで、課題解決に取り組んでまいります。
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