いつかの朝刊。
サンヤツがやけにジーズ推しだなあと思っていたら、その日は7月18日、海の日でした。
サンヤツとは新聞1面の下にある出版広告欄の通称。
なにを隠そう、わたしの毎日の朝刊の楽しみは1面トップ記事よりもサンヤツだ。わたしにしてみれば、サンヤツがトップ記事のようなもの。下欄に並ぶ書籍や雑誌の存在意義を讃えたり、失笑したり、苦言を呈したりする遊戯は、ほぼ趣味といっていい。
脱線してしまったが、この日のサンヤツは一冊を除いて、遠からず「海の日」にちなんでいるジーズ関連本が並んでいた。
“親子で夏休みに学びたい”水の謎を解きあかす。これは対象年齢4才からの絵本。さらに“SDGsに触れる最初の一冊に最適”な本であるとか、”なぜSDGsが必要なのかわかる本“といった小学生以上を対象にした学び系なども。
これはもしや、お子さまの夏休みの自由研究のテーマなどにいかが? といった狙いがあるのかな。世の流れ的にジーズをお題にした宿題が出されていても不思議ではないしね。
ジーズ意識高めの親御さんがサンヤツを見て「おお、これはちょうどいい。ジーズに触れるきっかけになる本やもしれぬ」と、書店に出向き、いや、いまどきならポチッとやれば自宅に届く、そんな時代だもの。手に入れるのは簡単だ。
紙資源削減に熱心なペーパーレス推進派なら、図書館に向かうのだろうか。本一冊とってもジーズ意識はそれぞれ。
さらに、この日のサンヤツは子どもの夏休みを漂わせたものだけではなかった。
“CO2削減と電力安定供給をどう両立させるか?”だとか、”環境破壊と気候変動の人類史”といった学術書もあれば、テレビで見かける人気気象予報士による気候危機の解説本など、大人にも興味深いジーズ本が数冊ほど。
気候危機といえば、今年の夏も各地でゲリラ豪雨や大雨災害などに見舞われた。残念なことに、わたしの故郷、青森も大雨の被害があった。見覚えのある愛しい風景、愛してやまないローカル線の線路の被害状況をニュースで見ることになろうとは……。
天災になす術もないと知りつつ、こうした環境変動に無関心ではいられないこの頃。個人のアクションがいかほどかと思いながらも、とりあえず何か行動したい! でも何から始めたらいいの? 地球環境に優しいアクションって何?
そんなとき、ネットで調べるのもいいけれど、ジーズについて教えてくれる関連本を紐解いてみるのもいい。そこに自分でも興味や関心を持って行動できるジーズが見つかるかもしれない。そうしてわたしは書店に行くでも、ポチッとするでもなく、図書館へ向かうのだった。