ソトコトNEWS パートナーシップという点もSDGsにつながる部分。ネクステラスは多くの企業とコラボレーションする中で新たな挑戦を続けています。現在はどのようなことに取り組んでいますか。
木下 こぶし建設様(北海道岩見沢市)とともにAI姿勢検知システム『AI’s(アイズ)』を共同開発しました。ショベルカーなどの重機は運転席からの死角が多く、運転には危険がつきものでした。そこで、ショベルカーの後部にAIカメラを設置。周囲の作業員が手を挙げるなどのジェスチャーで、運転席へ危険を知らせるジェスチャーコミュニケーションシステムを構築しました。
『AI’s(アイズ)』は「合図」とAIをかけて命名。「照らす」とかけた『TerraceAR』もそう。僕らは業界をもっと楽しい場所にしたい。ネクステラスの理念として、技術革新やパートナーシップ、共創によるイノベーション、そして「わくわく」「勇気」「感動」を掲げています。
現在、社員4名ですが100社ほどの企業さんとコラボレーションしています。お互いを認め合い、協力しながらより良いものを作るのは楽しい。若い人はゲームやプログラミングなどを通してARやVR、3次元データの取り扱いに長けている。彼らから教わることも本当に多いです。会社や世代を超えてこれからもコラボレーションし続けていきたいですね。
ソトコトNEWS 木下さんの人柄がにじみ出るような会社理念ですね。どのような体験からそのように感じられたのですか。今後の展望についても教えてください。
木下 もともと和歌山県出身、大学で土木を学ぼうと北海道にやってきました。大学では学業の傍ら、ヒグマの生態を観察する「ヒグマ研究グループ」に入りました。入ってみてわかったのは多種多様な人がいること、そして力を合わせることの大切さです。自然のヒグマを相手にしているので、何といっても安全第一。協力し合って山を登り、排泄物などの痕跡を探す。どこにどんなヒグマが何頭いるか…、あの頃の経験が今も企業間におけるコミュニケーションの基礎になっているような気がします。
建設業界も一緒なんです。1社ではできないことも、たくさん集まることで大きなことが実現できる。大きなインフラや構造物を作ろうと思ったら、やっぱり『共創』が大切。我々は、小さな会社として、小さいからこそいろいろなパートナーと知恵を出し合って、面白いことができるんじゃないかと思っています。
今はどこでもつながりあえる時代。国内だけではなく、インフラや建設技術が今後大きく発展することが予想される東南アジア、アフリカ諸国などにも3次元データの活用やAI技術の応用を伝えていきたいですね。ともに学び、ともに考え、ともに成長していく。それこそが持続可能な社会の実現には欠かせないポイントだと私は感じています。
株式会社ネクステラス https://nexterrace.com/